- トップページ
- 国土調査法、国土調査促進特別措置法及び関連法令について
国土調査法、国土調査促進特別措置法及び関連法令について
平成22年3月に、国土調査法及び国土調査促進特別措置法の改正が行われ、4月から施行されました。
新しくなった国土調査法及び国土調査促進特別措置法について、施行令等関連法令も含めて、既存の法令等の意図するところや、改正部分の内容について簡単にご説明します。
国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)
(目的)
第一条 この法律は、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的且つ総合的に調査することを目的とする。
国土調査は、国土調査法制定の昭和26年から実施しています。本条においては、国土調査の目的を定めています。
戦後、日本経済の再建を図るためには、限られた国土を最大限に活用することが必要であり、国土資源の保全を図り、高度利用することが求められました。
そのためには、まず国土の実態を正確に把握する必要があったことから、国土調査法に基づく国土調査が実施されることになりました。
昭和32年の国土調査法の改正により、地籍調査の成果をさらに活用するため、「地籍の明確化」が追加され、登記所の不動産登記記録の修正もあわせて行うこととされました。
(定義)
第二条 この法律において「国土調査」とは、左の各号に掲げる調査をいう。
一 国の機関が行う基本調査、土地分類調査又は水調査
二 都道府県が行う基本調査
三 地方公共団体又は土地改良区その他の政令で定める者(以下「土地改良区等」という。)が行う土地分類調査又は水調査で第五条第四項又は第六条第三項の規定による指定を受けたもの及び地方公共団体又は土地改良区等が行う地籍調査で第五条第四項若しくは第六条第三項の規定による指定を受けたもの又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基くもの
2 前項第一号及び第二号の「基本調査」とは、土地分類調査、水調査及び地籍調査の基礎とするために行う土地及び水面の測量(このために必要な基準点の測量を含む。)並びに土地分類調査及び水調査の基準の設定のための調査を行い、その結果を地図及び簿冊に作成することをいう。
3・4 (略)
5 第一項第三号の「地籍調査」とは、毎筆の土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図及び簿冊に作成することをいう。
6 第二項から前項までに規定する地図及び簿冊の様式は、政令で定める。
7 第一項第一号に規定する基本調査、土地分類調査又は水調査を行う国の機関は、これらの国土調査の各々について政令で定める。
本条は、国土調査に関するそれぞれの調査を定めています。
地籍調査は、国土調査の一部であり、地方公共団体(都道府県、市区町村)又は土地改良区等が実施することになります。
土地改良区等とは国土調査法施行令第第1条に定められた、「土地改良区」や「土地区画整理組合」、「森林組合」等です。
現在、地籍調査は主に市区町村の自治事務として実施されています。
また、地籍調査の他に、地籍調査に必要な基準点を設置する基準点測量を国の機関である国土地理院が、本条に規定する基本調査として実施しています。
あわせて、平成22年度から、第6次国土調査事業十箇年計画に位置付けられている都市部官民境界基本調査及び山村境界基本調査についても、本条の基本調査として位置付けられ実際されています。
(基礎計画及び作業規程の準則)
第三条 国の機関が行う国土調査及び都道府県が行う基本調査の基礎計画は、国土交通省令で定める。
2 国土調査の作業規程の準則は、国土交通省令で定める。
本条第1項に規定する基礎計画の一例としては、基本調査である基準点測量について、「基準点測量基礎計画(昭和二十七年総理府令第五十二号)」が定められています。
また本条第2項に基づき、地籍調査の作業規程の準則である「地籍調査作業規程準則(昭和三十二年総理府令第七十一号)が定められています。
(国土調査の実施の公示)
第七条 国土調査を行う者は、当該国土調査の開始前に、政令で定めるところにより、公示しなければならない。
平成22年の国土調査法の改正により、都道府県又は市町村は、地籍調査の実施を一定の民間法人に委託することが可能とされました。
これまで本条においては、「国土調査を実施する者」が国土調査の実施の公示をすることとされていましたが、民間法人への委託を可能とすることにより、委託を受けた民間法人が「調査を実施する者」に該当することになります。
しかし、国土調査の実施の公示は、調査が委託される前に行われるものであり、調査委託元である都道府県又は市町村が行う必要があることから「国土調査を行う者」に改正されました。
(経費の負担)
第九条の二 都道府県は、政令で定めるところにより、第六条の四の規定により市町村が行う地籍調査に要する経費の四分の三又は土地改良区等が行う地籍調査に要する経費の六分の五を負担する。
2 国は、政令で定めるところにより、第六条の四の規定により都道府県が行う地籍調査に要する経費の二分の一又は前項の規定により市町村が行う地籍調査について都道府県が負担する経費の三分の二若しくは土地改良区等が行う地籍調査について都道府県が負担する経費の十分の八を負担する。
3 前項の規定により国が負担する経費は、第六条の三第三項の同意に係る金額を限度とするものとする。
本条は地籍調査の経費負担について定めています。
国土調査事業十箇年計画に基づく地籍調査については、国は、地籍調査を実施する市町村の経費を負担する都道府県に対して、その経費の一部を負担することとされています。
本条によると、都道府県が実施する地籍調査については、国が2分の1、都道府県が2分の1をそれぞれ負担することになります。
また、市町村実施の場合は、国が2分の1を、都道府県及び市町村がそれぞれ4分の1を負担することになります。
(国土調査の実施の委託)
第十条 国の機関、都道府県又は市町村は、国土調査を行おうとする場合においては、国の機関にあつては都道府県又は道若しくは二以上の都府県の区域にわたつて基本調査、土地分類調査又は水調査に類する調査を行う者に、都道府県にあつては市町村又は土地改良区等に、市町村にあつては土地改良区等に、それぞれ当該国土調査の実施を委託することができる。
2 前項に規定するもののほか、都道府県又は市町村は、国土調査を適正かつ確実に実施することができると認められる者として国土交通省令で定める要件に該当する法人に、その行う国土調査(同項の規定によりその実施を委託されたものを含む。)の実施を委託することができる。
本条は、国土調査の実施の委託について定めています。第1項において、地籍調査については、都道府県は市町村又は土地改良区等に、市町村は土地改良区等に調査の実施を委託することが可能です。
一方第2項は、平成22年の国土調査法の改正により創設された規定です。従前の第1項に基づく委託は、これまでも調査実施主体であった都道府県、市町村、土地改良区等の間のみで可能でしたが、調査の一層の促進、調査体制の整備のため、一定の要件を満たす民間法人にも、調査実施の委託が可能となりました。具体的には、都道府県又は市町村は、国土交通省令で定める要件に該当する法人に調査を委託することができ、委託を受けた法人は、調査土地への立入や障害物の除去などの一定の行為を除き、市町村等に代わって調査を行うことができることになります。
(地図及び簿冊の閲覧)
第十七条 国土調査を行つた者は、その結果に基いて地図及び簿冊を作成した場合においては、遅滞なく、その旨を公告し、当該調査を行つた者の事務所(地籍調査にあつては、当該調査が行われた市町村の事務所)において、その公告の日から二十日間当該地図及び簿冊を一般の閲覧に供しなければならない。
2 前項の規定により一般の閲覧に供された地図及び簿冊に測量若しくは調査上の誤又は政令で定める限度以上の誤差があると認める者は、同項の期間内に、当該国土調査を行つた者に対して、その旨を申し出ることができる。
3 前項の規定による申出があつた場合においては、当該国土調査を行つた者は、その申出に係る事実があると認めたときは、遅滞なく、当該地図及び簿冊を修正しなければならない。
調査が終わり調査成果である地図及び簿冊ができあがると、まずその旨を公告することになります。その後、市町村の事務所等において20日間の閲覧期間を設け、その成果を確認していただくことになります。成果に異議のある場合は、本条第2項の規定に基づき申し出ることができます。再調査を行う等の方法により修正の必要があると判明した場合は、地図及び簿冊を修正することになります。
(成果の認証)
第十九条 国土調査を行つた者は、前条の規定により送付した地図及び簿冊(以下「成果」という。)について、それぞれ、国の機関及び第五条第四項の規定による指定を受け又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づいて国土調査を行う都道府県にあつては国土交通大臣に、第八条第一項の勧告に基づいて国土調査を行う者にあつては事業所管大臣に、その他の者にあつては都道府県知事に、政令で定める手続により、その認証を請求することができる。
2 国土交通大臣、事業所管大臣又は都道府県知事は、前項の規定による請求を受けた場合においては、当該請求に係る国土調査の成果の審査の結果に基づいて、その成果に測量若しくは調査上の誤り又は政令で定める限度以上の誤差がある場合を除くほか、その成果を認証しなければならない。
3 事業所管大臣又は都道府県知事は、前項の規定により国土調査の成果を認証する場合においては、政令で定める手続により、あらかじめ、それぞれ国土交通大臣又は国土交通大臣等の承認を得なければならない。
4 国土交通大臣、事業所管大臣又は都道府県知事は、第二項の規定により国土調査の成果を認証した場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
5 国土調査以外の測量及び調査を行つた者が当該調査の結果作成された地図及び簿冊について政令で定める手続により国土調査の成果としての認証を申請した場合においては、国土交通大臣又は事業所管大臣は、これらの地図及び簿冊が第二項の規定により認証を受けた国土調査の成果と同等以上の精度又は正確さを有すると認めたときは、これらを同項の規定によつて認証された国土調査の成果と同一の効果があるものとして指定することができる。
6 事業所管大臣は、前項の規定による指定をする場合においては、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得なければならない。
本条は、国土調査の認証に関する規定です。成果の認証とは、国土調査の成果が、測量若しくは調査上の誤り又は政令で定める限度以上の誤差がないかどうか審査するものです。
地籍調査を実施した市町村等は、都道府県等に対して、地籍調査の成果の認証を請求することができます。請求された都道府県等は、調査成果を審査し、精度・正確性に問題がないと判断した場合にはその成果を認証します。
一方、本条第5項においては、地籍調査以外の事業によって地図及び簿冊を作成し、所定の手続により認証を申請した場合、本条第2項の認証を受けた地籍調査の成果と同等以上の精度と正確さを有していると認められるときは、この成果を地籍調査の成果と同一の効果があるものとして指定することができると定めています。(いわゆる19条5項指定制度です。)
本指定を受けることにより、調査・測量の精度・正確さが地籍調査の成果と同等以上であることが公証され、調査・測量の信頼性が高まるとともに、指定を受けた地図及び簿冊の写しが登記所に送付され、原則として、地図(不動産登記法第14条第1項)として登記所に備え付けられることになります。
(成果の写しの送付等)
第二十条 国土交通大臣、事業所管大臣又は都道府県知事は、前条第二項の規定により国土調査の成果を認証した場合又は同条第五項の規定により指定をした場合においては、地籍調査にあつては当該調査に係る土地の登記の事務をつかさどる登記所に、その他の国土調査にあつては政令で定める台帳を備える者に、それぞれ当該成果の写しを送付しなければならない。
2 登記所又は前項の台帳を備える者は、政令で定めるところにより、同項の規定による送付に係る地図及び簿冊に基づいて、土地の表示に関する登記及び所有権の登記名義人の氏名若しくは名称若しくは住所についての変更の登記若しくは更正の登記をし、又は同項の台帳の記載を改めなければならない。
3 前項の場合において、地籍調査が第三十二条の規定により行われたときは、登記所は、その成果に基いて分筆又は合筆の登記をしなければならない。
第19条の規定に基づき、地籍調査の成果を認証し、又は国土調査の成果と同一の効果があるものとして指定したときは、その写しが登記所に送付されます。登記所は、送付された地図及び簿冊に基づいて、地積や地目などの土地の表示に関する登記の変更等を行うことになります。
国土調査促進特別措置法(昭和三十七年法律第百四十三号)
(目的)
第一条 この法律は、国土の開発及びその利用の高度化に資するため、国土調査事業の緊急かつ計画的な実施の促進を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
国土調査の一層の促進を図るため、昭和37年に国土調査促進特別措置法が制定され、国土調査に係る十箇年計画を策定し、これに必要な行政・財政上その他必要な措置を講じ、国土調査事業をより計画的に推進することとされました。
(定義)
第二条 この法律で「国土調査事業」とは、次に掲げる調査の事業をいう。
一 国土調査法 (昭和二十六年法律第百八十号)第二条第二項 に規定する地籍調査の基礎とするために行う土地及び水面の測量(このために必要な基準点の測量を含む。)並びに土地分類調査の基準の設定のための調査に係る基本調査で、国の機関又は都道府県が行うもの
二 国土調査法第二条第三項 に規定する土地分類調査又は同条第五項 に規定する地籍調査で、地方公共団体又は土地改良区その他の政令で定める者が行うもの
平成22年の法律改正前は、本条第一号における国土調査事業のうち地籍調査に係る調査は、「地籍調査の基礎とするために行う基準点の測量」に限定されていました。このため、過去の国土調査事業十箇年計画では、「基準点の測量」のみが地籍調査のための基本調査として十箇年計画に記載されていました。
しかし、国土調査法に規定する基本調査については、国土調査法第2条第2項の「地籍調査の基礎とするために行う土地及び水面の測量(このために必要な基準点の測量を含む。)」とされており、基準点の測量に限られるものではありません。さらなる地籍調査の促進を図るため、基準点の測量以外の基本調査についても国が積極的に実施し、地籍調査の実施主体である市町村等の負担を軽減することが必要です。
本号の改正により国土調査事業における基本調査の対象が拡大され、平成22年度から実施する都市部官民境界基本調査及び山村境界基本調査についても、本号に規定する国土調査事業に含まれることになりました。新しい第6次国土調査事業十箇年計画にも、これらの基本調査を盛り込むことができるようになり、さらなる計画的な地籍調査の促進を図ることとしています。
(国土調査事業十箇年計画)
第三条 国土交通大臣は、国土審議会の意見を聴いて、国土の総合的な開発及びその利用の高度化に資するため緊急に国土調査事業を実施する必要があると認める地域について、平成二十二年度以降の十箇年間に実施すべき国土調査事業に関する計画(以下「国土調査事業十箇年計画」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
2 国土調査事業十箇年計画には、前条第二号に規定する土地分類調査については、同条第一号に規定する基本調査又は同条第二号に規定する地籍調査と相まつて特に緊急に実施することを必要とするものに限り、定めるものとする。
3 国土調査事業十箇年計画には、政令で定めるところにより、十箇年間に実施すべき国土調査事業の量を定めなければならない。
4 国土交通大臣は、第一項の規定により国土調査事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県の意見を聴かなければならない。
5 国土交通大臣は、国土調査事業十箇年計画について第一項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、これを公示するとともに、関係都道府県に通知しなければならない。
6 前各項の規定は、国土調査事業十箇年計画を変更しようとする場合について準用する。
本法が昭和37年に施行され、昭和38年に第一次国土調査事業十箇年計画が策定された後、平成21年度までに第5次計画にわたり調査が進められてきました。しかし、平成21年度末の地籍調査の全国の進捗率は49%であり、今後も調査の緊急かつ計画的な実施が必要であるため、平成21年度末に期限を迎える第5次国土調査事業十箇年計画に引き続き、平成22年度を初年度とする第6次国土調査事業十箇年計画を策定するため、本条の改正が行われました。
国土調査事業十箇年計画は関係行政機関との協議や都道府県からの意見聴取を踏まえて閣議決定されます。現在の第6次国土調査事業十箇年計画は平成22年5月25日に閣議決定されました。
国土調査法及び国土調査促進特別措置法の全文はこちらを参照してください。
関連する政省令について
国土調査法及び国土調査促進特別措置法に関する政省令のうち、地籍調査に関連するものには以下のような政省令があります。
これらについても、今回の法改正を受けて、一部改正が行われています。
<政令>
<省令>
(地籍調査の基礎とするために行われる基本調査関係)
このほか、地籍調査に関連する法令としては以下のようなものがあります。
関連する通知等について
地籍調査作業規程準則等の改正に伴い改正した通知等を掲載しています。