基準点測量

基準点とは

基準点とは、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された三角点、水準点、電子基準点等をいいます。地図の作成や各種測量の際の基準・基礎となる点として使われます。基準点にはその場所を明確にするために、標石、金属標、鋲などの標識が設置されています。基準点には、国土地理院が基本測量として設置・測量する、国の骨格的な測量の基礎となる国家基準点(一等~三等三角点等)や、公共事業等を行う際に市町村等が設置する公共基準点など、様々な種類があります。

  • 基準点 1
  • 基準点 2
  • 基準点 3

地籍調査のための基準点測量

地籍調査において行われる測量でも、位置の基準とするために、基準点の設置・測量が必要となります。国土調査法に基づき国が基本調査として実施している基準点測量では、四等三角点を設置しています。四等三角点は、市町村等の要望に基づき、地籍調査実施予定地区に原則地籍調査の前年度に設置されます。これらの作業は国土地理院(又は国土地理院より委託を受けた測量業者)が実施しています。四等三角点は、都市部では約1平方キロメートルに1点、山村部では約4平方キロメートルに1点が設置されています。これまでに累計で65,000点以上の四等三角点が設置されています。

一般的な基準点測量の作業工程

1. 計画の作成

地籍調査を実施している市町村等から出される基準点の設置要望をもとに、設置に適した場所を地形図上に図示して計画図を作成します。さらに、測量作業の実施機関、作業者の編成、工程、使用機器等を決定して計画書を作成します。

2. 基準点設置場所の選定(選点)

計画図にもとづいて、現地で新設点の位置を選定します。また、現地の状況に適した測量の手段も同時に決定します。

3. 基準点の設置

選点で決定した場所に、土地の所有者・管理者の承諾を得て、標識を設置します。標識には様々な種類がありますが、四等三角点の場合は、御影石(花崗岩)の柱石が主に使われています。また、金属標による四等三角点も設置されています。

4. 基準点の位置の観測

設置した標識等の位置(十字の中心)を正確に求めるため、GNSS測量機やトータルステーション等を使用して測量(観測)が行われます。

5. 計算整理

観測データの良否を判定するための計算や位置を決定するための計算を行います。得られた測量成果は、成果表、点の記等に整理され、後続の地籍調査に活用されるとともに、他の利用者にも提供されます。成果表は基準点の位置情報が記載されたもので、点の記は三角点までの経路、所在地等が記載されています。

  • 基準点 4
  • 基準点 5

補助基準点の設置

市町村等の負担を軽減することで地籍調査の更なる促進を図るため、平成22年度からは一部の地域において国による補助基準点の設置が行われています。これは、これまでの四等三角点の設置に加え、より高密度に(基準点間の距離が短くなるように)基準点を設置するものです。