全国の地籍調査の実施状況

地籍調査は、昭和26年から行われており、その開始から70年が経過しています。令和4年度末時点における地籍調査の進捗率は52%、優先実施地域(※)に限定すると80%となっています。地帯別にみると、都市部(DID:人口集中地区)及び山村部(林地)で地籍調査の進捗が遅れており、特にこれらの地帯において、より早急な調査の実施が必要です。

(※)優先実施地域とは、土地区画整理事業等の実施により地籍が一定程度明らかになっている地域及び大規模な国・公有地等の土地取引が行われる可能性が低い地域(防災対策、社会資本整備等のために調査の優先度が高い地域を除く。)を、地籍調査対象地域から除いた地域である。

地籍調査対象地域全体

優先実施地域

  1. 地籍調査対象地域とは、全国土(377,974㎢)から国有林野及び公有水面等を除いた地域である。
  2. 対象面積等は、第7次国土調査事業十箇年計画の作成に当たって精査したものである。
  3. 実績面積は、地籍調査以外の成果の活用(19条5項指定)による地籍の明確化を含む、地籍整備が実施された面積である。なお、DIDの地図混乱地域を対象として法務局・地方法務局が実施している登記所備付地図作成作業の実績を、地籍調査対象地域全体におけるDIDの令和4年度までの実績面積に合算すると3,720㎢となり、進捗率は29%となる。
  4. 宅地、農用地、林地については、DID以外の地域を分類したものである。
  5. 計数は、それぞれ四捨五入によっているので合計及び比率は一致しない場合もある。

※DIDとは、人口集中地区(Densely Inhabited District)の略語。国勢調査において設定される人口密度が1 ha 当たり 40 人以上、かつ人口 5,000 人以上の地域で、実質的な都市地域を表す。ここでは、平成27年の国勢調査をベースとしている。

地籍調査への着手の状況

現在、多くの市町村で地籍調査は実施されていますが、その一方でいまだに調査未着手の市町村も全体の7%あります。また、過去には地籍調査を実施していたものの、現在は様々な理由から調査を休止している市町村も13%あり、全体の約2割の市町村では、地籍調査が行われていません。

着手類型

※数値はいずれも、令和4年度末時点。(令和5年6月調べ)

※計数は、それぞれ四捨五入によっているので合計及び比率は一致しない場合もある。

地域ごとの実施状況

全国の地籍調査の実施状況は、地域間の進捗の差が大きくなっています。北海道、東北、九州の各地方では調査が比較的進んでいますが、関東、中部、北陸、近畿の各地方では大幅に遅れている府県があります。

地籍調査進捗率グラフ

地籍調査進捗率(令和4年度末時点、令和5年6月調べ)



地籍調査進捗率日本地図