山村境界基本調査

山村部における公図の一例

日本の国土の約3分の2は森林ですが、多くの地域で地籍調査が行われていません。平成26年度末時点における山村部の地籍調査進捗率は44%であり、全国平均よりも遅れています。現在、地籍調査が行われていない森林の面積は10万平方キロメートル(1000万ha)以上と膨大であり、早急に全域で地籍調査を行うことは大変難しい状況です。
その一方で、山村部においては、土地所有者の高齢化が進んでいます。また、土地所有者が地元に居住しておらず、都会へ出てきている状況(村離れ)も発生しています。つまり、山村部の土地の境界について詳しい人が少なくなってきています。さらに、所有している山林の手入れが十分に行われておらず、森林の荒廃が発生しており、これにより土地の境界がさらに分かりにくくなってきています。
このように、山村部では土地の境界に関する人証、物証が失われつつある状況です。

山村部については、登記所で活用されている公図の精度が極めて悪い地域が多くみられます。下の絵は、山村部における公図の一例です。土地の境界が丸く書かれているため、「団子図」と呼ばれることもあります。このような図面しかない地域では、土地の境界が不明瞭なことが多くあり、例えば森林施業の集約化や路網の整備などを実施する上で支障が発生するという指摘もされています。

山村境界基本調査

このような地域では、土地の境界に関する情報が失われ、将来、地籍調査を実施しようとしても非常に困難になる恐れがあります。このため、土地の境界に詳しい者が残存するうちに、早急に境界に関する情報を保全することが重要な課題となっています。

そこで平成22年度から、山村境界基本調査を国の基本調査として実施しています。調査は、国が全額経費を負担して行っており、市町村等の負担はありません。
山村境界基本調査では、土地の境界に詳しい者の踏査によって、山村の境界情報を調査し、簡易な測量をした上で、境界に関する情報を図面等にまとめ、保全しています。地籍調査のように土地所有者による立会いや精密な測量は行われませんが、簡易な手法により広範囲の境界情報を調査・保全することとしています。山村境界基本調査で整備する成果を後続の地籍調査で活用することにより、市町村等は地籍調査を効率的に実施することも可能となります。

山村境界基本調査作業規程準則の一部改正(平成28年4月)及び運用基準の一部改正(平成29年3月)NEW

近年のGNSS測量の普及や測量機器の性能の向上により、より高精度な測量の実施が可能となっていることを踏まえ、山村境界基本調査に係る測量作業においてもこれらを用いた効率的かつ高精度な測量を可能とするため、平成28年4月に国土調査法第3条第2項の規定による山村境界基本調査作業規程準則等の一部改正及び平成29年3月に山村境界基本調査作業規程準則運用基準を一部改正し同年4月より施行しました。

改正した山村境界基本調査作業規程準則等は、以下のURLからダウンロードできます。