街区境界調査について
1 街区境界調査とは
都市部では、土地が細分化されており権利関係も複雑であるなどの事情により、地籍調査の実施において境界の確認等に多くの手間を要することも多く、その進捗が遅れているところです。
一方、都市部では、道路や水路等に囲まれた街区を単位に再開発やまちづくりが進められていることが多く、また、災害時には道路等のライフラインの早期復旧が特に重要となることから、道路等の公有地と私有地との境界(いわゆる官民境界)だけでも明らかになっていれば、災害からの迅速な復旧・復興、まちづくり等に役立つことが見込まれます。
このような背景から、令和2年に国土調査法及び関係法令が改正され、地籍調査の一部として行う官民境界の先行的な調査(街区境界調査)が位置付けられました。
2 調査内容及び調査方法
通常の地籍調査では、対象区域の全ての土地について、その所有者、地番及び地目の調査を行うとともに、境界及び地積(面積)に関する測量を行います。
一方、街区境界調査では、街区を構成する土地のうち、道路や水路等と接する土地について、その所有者及び地番の調査を行います。また、その土地と道路や水路等とが接する部分の境界に関する測量を行います。
このように、通常の地籍調査と街区境界調査では、調査及び測量の対象範囲が異なります。
ただし、街区境界調査においても、土地の境界(筆界)の位置を明らかにする際には、土地の所有者等の協力を得ながら調査を行います。また、これ以外の調査の進め方についても、通常の地籍調査と基本的には同じです。
3 調査結果の活用
街区境界調査によって得られた成果は、通常の地籍調査の成果と同様、都道府県知事等による認証を申請することができます。
街区境界調査成果が認証された場合、その成果の写しは当該成果に係る土地を管轄している登記所に送付され、登記官は、これに基づいて、表題部所有者又は所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は更正の登記を行います。
また、その成果の写しは市町村長等にも送付され、市町村等において一般の閲覧に供されます。
なお、街区境界調査成果に係る情報については、民間事業者が実施する測量など地籍調査以外の測量及び調査において、その活用が図られるよう、インターネットの利用その他の適切な方法により公表する等の措置を講ずるように努めるものとされています。